ホモシステインは動脈硬化の危険因子といわれています。肝臓などでつくられてしまうアミノ酸分子が最近、新に注目を浴びるようになってきました。身体を構成している必要なタンパク質は、主に肝臓で、食べ物由来のいろいろなアミノ酸を材料として生合成されます。
その人のタンパク質を構成する重要アミノ酸であり、硫黄をもったメチオニンというアミノ酸の肝臓内での代謝中に、このホモシステインができます。
ホモシステインは葉酸やビタミンB12の働きで、体内で、再びメチオニンに戻ったり、ビタミンB6の働きでシステインという類似のアミノ酸に変換されたりして、処理されます。
従来、動脈硬化の危険因子としては、高コレステロール、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などが指摘され、大抵の人がこのことを常識レベルで知るようになってきました。
ホモシステインとアルツハイマー病 動脈硬化や脳卒中の既往症がある人は、アルツハイマー病のリスクが高いことも最近報告されるようになっています。
ホモシステインの血中濃度と、痴呆症やアルツハイマー病の発症に関係があるかどうかを調べる研究もされるようになりました。
この研究の対象は、米国マサチューセッツ州郊外のフラミンガムの地域住民を対象に、1948年から行われている追跡調査の一部です。
この研究は、高コレステロール血症による心筋梗塞リスクの上昇をはじめて明らかにした歴史的なプロジェクトです。
1986〜1990年にかけて、1092人の参加者に対して、ホモシステインの血中濃度を測定して、その後2年に一回、平均8年間の追跡調査をおこなったところ、111人が痴呆症になっているとの診断を受け、このうち83人が、アルツハイマー病だったということです。
年齢が高い人ほどホモシステインの血中濃度も高い傾向があることもわかりました。
そこで、同じ年代の中で、血中濃度が上位4分の1の人たちは2倍近くもリスクが上昇してしまいました。血中ホモシステイン濃度の高値群が痴呆症になるリスクは、比較群よりも約2倍高かったのです。
痴呆症のなかでもアルツハイマーに限って分析したところ、やはり高値群のリスクは約2倍高いという結果でした。
こうした結果から、フラミンガム研究グループは、高ホモシステイン血症は痴呆症やアルツハイマー病の発生に対する、強力な危険因子であると結論しています。
フラミンガム研究グループによると、高ホモシステイン血症とアルツハイマー病を結びつけるメカニズムとして、高ホモシステイン血症による脳の微小血管障害、脳血管の内皮機能障害、酸化ストレスの増大など、全般的な脳の老化とのかかわりが考えられています。
厚生労働省による第6次改定日本人の栄養所要量によりますが、ビタミンB6の1日の栄養所要量は成人男性1.6mg、女性1.2mgとされ、許容上限摂取量は100mgです。
葉酸は成人男性、女性とも200μgとされ、許容上限摂取量は1000μgです。
また普通の食事から摂取が不十分な場合、またはすでに虚血性心疾患などの動脈硬化性の疾患がある場合は、サプリメントによるこれらの補充も、当然ことながら有効です。
フラミンガム研究では、ホモシステインの血中濃度は、B群ビタミンをサプリメントなどで多量に摂取することで、下がる場合があることも報告されています。
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